・キーワード
販売管理 / 受発注管理 / 販売店用の発注アプリ /
クラウド基幹システム / kintone / 化学素材メーカー
三井化学株式会社 様
・事業内容
グローバルに事業を展開している日本の化学メーカー。幅広い分野において、人々の生活をより豊かにする製品・サービスを提供。「化学」のちからで様々な社会課題を解決し、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでいる。
三井化学株式会社 新ヘルスケア事業開発室 篠原様
※本ページの掲載内容は導入当時の情報となります
創業100年以上の化学素材メーカーである三井化学様は、ヘルスケア事業領域においてメガネレンズの材料「レンズモノマー」の世界シェアナンバーワンを誇っている。その強みを活かしてレンズの開発にも力を入れており、10年間の開発期間をかけて液晶の性質を利用してレンズの度数を電気的に変えることができる次世代メガネ「TouchFocus®(タッチフォーカス)」の製品化を決定した。
一方で、製品化を決定したわずか半年後には「TouchFocus®」販売を開始することが決まり、急いで準備を進める必要があった。経営層からの後押しもあり、取り扱い販売店の決定や製品開発などが順調に進んで順風満帆と思っていたその時、社内で一つの疑問がわきあがった。
当時、開発メンバーは20人ほどでその中にシステム担当はいなかったが、システム業務経験のあった篠原様が販売管理の仕組みを担当することになった。同社では、今まで企業間での素材取引(BtoB)が中心だったのに対して、「TouchFocus®」は初の消費者向け最終製品(BtoC)となり、既存のビジネスモデルとは大きく異なる。例えば、今までの販売方法は工場で大量製造後にコンテナで取引先に届けるのに対して、今回は販売店でお客様からオーダーを受けてからメガネを一つひとつ作成して届けるため、新しい販売管理の仕組みが必要となる。
しかし、販売管理システムをゼロから開発すれば膨大なコストと開発期間がかかる上に、専門的なスキルをそもそも持っていない。一方で、社内システムは既存ビジネスに合わせたガチガチのERPでカスタマイズ対応は困難だった。時間も経験もない中で、篠原様が目を付けたのが、サイボウズ社のクラウド型の業務開発プラットフォーム「kintone」であった。
kintoneと出会ったときの感想を、篠原様は次のように語った。
「なんかkintoneっていうツールは良さそうだぞと。そこで、kintoneにどんな機能があるか、見てみたんですね。その前に、この眼鏡の販売管理システムを作るときに気をつけたことがあります。目標はたった一つ。販売店様から眼鏡のオーダーを取ること。もうこれだけ。もうこれだけやろうと。そのために気をつけたことですが、オーダーフォームが直感的であることと、エラーを絶対に出さないこと。とにかく機能はシンプルに、ミニマムの仕組みで。そして、すぐに対応できることです。
私たちはまったく経験がないので、いくら完璧に作ったと思っても、当然ですが他から要望が来る可能性もあります。だからすぐに対応しなきゃいけない。そのためにも、とにかく標準機能にこだわったんですね。カスタムメイクしたら、バグが出てもブラックボックスになって、対応できなくなったりしますので。まずは標準機能でやろうと。」
「kintone」はアプリ作成・情報共有・コミュニケーションを全て一つのツール上で行うことができる業務開発プラットフォームだ。その最大の特長が開発の知識がなくても、最短3分で業務アプリの作成が可能で、ノンプログラミングでドラッグ&ドロップの操作だけでアプリを作成できるので、システム担当者だけでなく業務担当者が必要に応じてアプリを作成することができる。改善の必要があればすぐに修正でき、より業務に即したアプリの運用も行うことができる。
篠原様は、このアプリ作成機能で自らアプリを作成し、情報共有・コミュニケーション機能を活かして販売店から発注を取る仕組みを構築した。簡単にアプリを構築できるので、簡易的なアプリを作っては販売店からフィードバックをもらいアプリを改善するというトライ&エラーを繰り返して、販売管理の仕組みを販売開始のデッドラインであったわずか半年で作り上げることができた。
「kintoneの良いところは、小さく簡単に作って、あとはお客様のところに行って見てもらっては、すぐに変えられるところ。作っちゃ潰し、作っちゃ潰し、こうやってなんとか半年後にでき上がったのがこの姿です。」
販売管理の仕組みを構築して実際に運用していくと、標準機能だけでは対応が難しいことが出てくるようになってきた。例えば、メガネの発注にはレンズの処方を入力するが、フレームのサイズや視力の組合せによってその処方範囲が動的に変化する。kintoneの標準機能ではこの入力チェックに対応できずカスタマイズ開発が必要となった。そんな中、展示会でkintoneのソリューションサービスを紹介していたコムチュアと出会い、kintoneの実績やサイボウズ社との強力な協業関係を評価いただきコムチュアにkintoneの開発支援を依頼することにした。標準機能をベースにカスタマイズを入れることで、より本格的な販売管理の仕組みができあがっていった。 リリースした後でも、システムの改修ができる。まさに「小さく作って大きく育てる」kintoneの特長が三井化学様の進め方とマッチした事例となった。
※画面イメージはサンプルとなっています
販売管理の仕組みを
低コスト短期間で実現
膨大なコストと時間がかかる販売管理の仕組みを「kintone」の標準機能で低コスト短期間で実現した。
販売管理の機能強化と
業務効率化を支援
コムチュアが標準機能をカスタマイズすることで、販売店の入力作業と出荷・請求業務を効率化できた。
販売管理の仕組みを強化して
販売店舗も拡大
販売開始時の店舗数は9店舗だったが、現在では北海道から沖縄まで65店舗以上で取り扱っている。
「日々の運用の中ではちょっとした疑問や質問が出てきます。おそらく自分でも調べられる内容もあると思うのですが、時間もかかるし、つい後回しにしてしまいます。
小さなことも蓄積すると全体の効率にひびくほどになっていたりします。
コムチュアさんが提供しているkintone相談サービス『お気軽ホットライン』は、まさに気軽に相談でき、利用者側にも運用する側にもストレスフリーで積み残し(システムに対するちょっとした疑問からくるモヤモヤ感)がない健全な環境をサポートしてもらっています。
質問に対する直接的な回答だけにとどまらず、その質問が出てきた背景を鑑みたご提案をいただくこともしばしばで、幅のある運用が実現できています。
カスタマイズするにあたっても、プラグインや js の拡張性・機能性・経済性などメリットデメリット・選択肢を根拠をもってしっかり提示してくださいますので、
ロードマップが描きやすく、業務の成長にあった計画性のある開発を進めることができています。
納品される機能仕様書のクオリティが高く、カスタマイズにありがちな『どうしてこうしたんだっけ』といったうっかりミスのリスクも防げてとても安心です。
設計がしっかりしているので、追加でカスタマイズをすることがあっても構造的な見直しに陥ることがなく、拡張性が高いと感じています。」
「今回のカスタマイズでは、初めから機能を詰め込むのではなく、業務フローの成熟に合わせ必要に応じてカスタマイズが行えたので、
利用者の負担が少なかった上に満足度も大きかったようです。
今回、特に力を入れたのが『入力項目のチェック機能強化』と『データの機能別の分散』でした。
入力項目チェックのシステム化では、人手による入力内容のチェック作業がゼロになったとともにヒューマンエラーもなくなりました。
データの分散ではひとつのアプリに集約されていたデータを機能別アプリに分散させたことから、プロセス管理が柔軟になり、担当ごとの業務も簡素化することができました。
今後の展望としては、販売をグローバルに展開するにあたり、多言語化や各国の事情に合わせますます柔軟に対応していきたいと思っています。」
「これ、どうやって注文取るんですか?」